天才子役が尽きるまで

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ここに来てから一体何日経ったのか。 そんな考えが少女の頭によぎる。 涙が枯れると仕事にならないという理由で、わずかな水分とちいさなパン1つが少女に与えられていた。 老人の睡眠時間が少女の食事時間であり、睡眠時間である。排泄だけは、見張り付きでトイレに行かせてもらえることになっていた。 用を出す以外は全てパイプ椅子の上。 身も心も、休まるはずがなかった。 泣き続ける少女の姿を、老人が無表情に見つめている。 泣きすぎて、目も頭も痛くて重い。 訳がわからなくなってくる。 演技で泣いているのか、本当の感情なのか、もう判別がつかない。 少女の涙が尽きるのと、老人の命が尽きるのと、どちらがはやいのだろうか。 考えるな。考えたら途端に泣けなくなる。 少女は泣き続ける。己の今後の人生を守るために。
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