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プロローグ
時計台が立つ麓。
悪魔のようだと恐れられていた死神は、ただ涙を流した。
何故なら2年もの間、彼が愛していた少女が死んでしまったからだ。
ぎゅっと握りしめた彼女の亡骸をただただ見つめ、彼は泣いていた。
目をつぶると、彼女との思い出がまるで走馬灯のように流れる。
幸せそうなあの顔。
手をつないだ感触。
抱きしめたぬくもり。
彼女が触れた自分の頬。
その全てを。
死神が少女に恋をしたのは2年ほど前だった。
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