出会いと恋心

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出会いと恋心

 その死神は仕事として、一人の少女の命を刈り取るよう言われ、病室に佇むその少女を迎えに行った。 窓から見える死神の姿に少女は一瞬驚いたが、やがて笑ってこう言った。 「あなたは……死神さんかしら?」 普通の人間には、死神や天使などという部類のものは見えないはずだ。 死神は初めて人間に話しかけられ、戸惑いながら質問に答えた。 「そうだけど……見えるの……?僕のこと……」 それに彼女は笑って答えた。 「えぇ、もちろん」 そして悲しそうな顔をして続けた。 「あと2年しか生きられないんですもの、当たり前よ」 悲しそうに笑う彼女。 「……死神さんは……どうやってここまで来たの?」 死神が病室の中に移動した時、彼女の目線は窓の外に向けられていた。 「え? 飛んできたけど……」 オドオドしてる死神に少女は笑顔で答えた。 「いいなぁ…… 私も飛んでみたい」 ふわりと笑った少女に、死神は胸を掴まれるような感覚に陥った。
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