ひき逃げ?

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ひき逃げ?

 心地よい風が吹いている金奈市。  季節は夏から秋になる頃。  夜。  ブロンド長い髪の綺麗な女性が歩いている。  かっちりしたスーツ姿で、どこかのキャリアウーマンのようだ。  女性は携帯電話で話しながら歩いている。 「うん、今帰りよ。夕飯何がいい? ・・・うん。・・・そうね遅い時間だもの、それがいいわね・・・・あ、そう。じゃあ、それ作っておいてくれる? 」  人通りの少ない交差点。  電話をかけながら女性が歩いて来た。  歩行者信号は青で、女性は信号を確認して渡ろうとした。  すると・・・・  勢いよく右折をしてきた車が現れた。  女性はハッとして車に気付いて足を止めた。  その瞬間・・・  ドサッ。  車は女性を跳ね飛ばした。  地面に叩きつけれた女性は血まみれになっている。  車は止まったが、誰も寄って来ないのを確認するとそのまま走り去った。  携帯電話が転がっている。 (・・・お母さん? どうしたの? ・・・)  電話の向こうから声が聞こえる。  車が走り去った後。 「あ~今日も疲れたなぁ」 「医学部も大変だね」 「まぁね。結沙(ゆいさ)も仕事なれたか? 」 「ああ、なんとかね。営業部って思ったより大変だよ」  2人の男性が話しながら歩いて来た。  2人ともそっくりな顔立ちをしている。  背丈もスラッとしていて推定185センチはありそうなくらい。  爽やかなイケメンタイプで、優しい目をしている。  結沙と呼ばれた男性はかっちりしたスーツ姿。    もう一人はラフなシャツにジーンズ姿。 「ん? 」  結沙と呼ばれた男性は、足元に落ちている携帯電話に気付いて拾った。 「どうしたんだ? 結沙」 「いや、携帯電話が落ちてて・・・」  画面を見ると通話中の表示だった。 「あれ? 通話中じゃん。・・・え??? 」  結沙は交差点を見て、人が倒れているのに気付いた。 「良人(りょうと)! あれ! 人が倒れているぞ! 」 「あ? ・・・わぁ・・・」  携帯電話を耳に当てる結沙。  何も聞こえない・・・だが・・・  チャリンと鈴の音が聞こえた。 「も、もしもし? 」  結沙が声をかけると。 (・・・もし・・・もし? )  ちょっと震えるような女性の声が聞こえた。 「結沙! 大変だ、血まみれだよこの人」 「え? 」 「救急車だ! 」  良人は携帯電話を取り出し、救急車を呼んだ。 (もしもし? なに? どうしたの? お母さんは? )  電話の向こうで女性が叫んだ。 「あ・・・あの・・・倒れている、血まみれで」 (え? どうして? ) 「い、今救急車を呼んだから」 (はぁ? どうゆう事? お母さんに何したの? ) 「違う! 俺は、通りかかっただけだ。この電話も落ちていたから」 (何言っているの? アンタが殺したんでしょう? ) 「何を言い出すんだ、そんなわけないだろう! とにかく、救急車が来るから。病院分かったら、知らせるよ」 (・・・許さないから・・・) 「え? 」 (許さないから、あんたの事! ) 「ちょ、ちょっと待て! 落ち着いて」  ビリッと、携帯電話から痺れる痛みが伝わり結沙は携帯電話を落としてしまった。  その弾みで携帯電話がは画面が割れてしまった。 「あ・・・」  ピーポーピーポー・・・  救急車が来た。
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