え? 彼女と同居?

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「あのさ、いくら兄貴でも露骨に聞きすぎだろう? 」 「そうだが、お前ずっと起たないからって、いつもフラれてたじゃないか」 「もう大丈夫だって。初めてだけど、ちゃんと反応したし。それだけじゃないから」 「ならいいけど。でも、もう彼女連れて来たのか? 」 「うん、住むところがないって言うから」 「はぁ? なんだそれ」 「お母さんが亡くなって、家を親戚に盗られたって言っていた。今日、うちの部署に派遣社員で入って来たんだけど。本当に困っているようだから」 「それで、うちに住まわせるって事か? 」 「隣りにって思ったんだけど、母さんがうちでいいって言うから」  良人は、やれやれとため息をついた。 「これじゃ、受験勉強できやしないよ。俺、明日から隣りで生活するわ」  ぼやきながら、良人は部屋に戻った。  紗良はリラをパジャマに着替えさせた。  熱が出て来たようで、リラは呼吸が荒くなっていた。 「母さん、あとは俺が診ているからもう休んでいいよ」 「何を言っているの。看病は女の役目なの、結ちゃんは明日もお仕事あるんだからちゃんと休みなさい。良人の部屋で寝る? それとも、お母さん居ないからお父さんと一緒でもいいわよ」 「うーん。・・・ちょっと考える」 「そう、早く寝なさい。それから、この子の名前は? 」 「麻中田リラさん」 「麻中田? 変わった苗字ね」 「うん」 「でもリラちゃんかぁ。可愛いわね」  紗良はリラの額に張り付いた前髪を、そっと払った。
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