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翌日。
リラは熱が上がっていた
夜中に汗をかいて着替えはしたが、まだ熱が下がらない為、今日は仕事を休むことになった。
食欲がなく飲み物しか喉を通らないリラ。
紗良は朝食の準備をしている。
結人が起きてきた。
「結ちゃん、おはよう。久しぶりに、お父さんと一緒でよく眠れた? 」
「うん、まぁ眠れたかな。リラさんの具合はどう? 」
「まだ熱が高いままなの、今日はお仕事無理そうだからお休みね。もうちょっと、熱が上がるようなら病院に連れて行こうと思うわ」
「そっか。俺が、無理させちゃったかな? 」
「え? 」
「あ、いや。昨日、帰り際に雪が降ってたから。ほんの少しの間だけど」
と、結沙は食卓の椅子に座った。
紗良が朝食を並べてくれる。
「おはよう」
結人が起きてきた。
「おはよう結人さん。結ちゃんと一緒で、眠れた? 」
「ああ、久しぶりにゆっくり話もできたし良かったよ」
と言って、洗面所へ向かう結人。
「結ちゃん、結人さんと何話したの? 」
結沙の向かい側に座って紗良が尋ねると、結沙はちょっと恥ずかしそうな目をした。
「別に大したことではないよ。他愛ない事」
「え? そうなの? 結ちゃんが、彼女出来たからコイバナでもしているかと思ったんだけど」
「はぁ? 父さんとコイバナなんて…しないよ」
朝ご飯を食べながら、結沙は答えた。
「ふーん。結人さん、結ちゃんに安定した彼女が出いないから。ずっと、心配していたのよ。付き合っているかな? って思ったら、すぐ別れちゃうし。なんとなく、結ちゃん楽しくないようだったから」
「うん。付き合ってて、楽しいとか思ったことなかったね。好きって、何なのか解らなかったから俺」
結人が戻ってきた。
「あれ? 良人はまだ寝ているのか? 」
「昨日、かなり遅くまで起きていたようよ。今日はお昼からって言ってたから、まだ寝ているみたいね」
「そうか」
結人も朝ご飯を食べ始めた。
そんな結人を、結沙はチラチラと横目で見ていた。
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