悲しい・・・雪

2/7
前へ
/70ページ
次へ
 とりあえず勇は事が収まるまでは、自宅待機になった。  このままでは仕事ができないと判断されたのだ。  営業部長の代理として、3日後からアメリカ支社から助っ人が来る予定だ。  メールの一件で騒然となたが、お昼には落ち着きを取り戻しいつも通りの職場に戻った。  結沙は今日は外回りの為外出している。  外は秋風が吹き始めちょっと寒く感じる。    結沙が歩いてくると、とる交差点に1人の女性が立っていた。    綺麗なブロンドの髪が肩まで長い女性。  ちょっと薄着で、黒いワンピース姿でスカート丈が踝まであり黒いハイヒールを履いている。  歩いて来た結沙は、なんとなく女性を見た。  信号が青になっても渡らない女性。  すると…  女性の傍に勇がやって来た。 「え? 」  遠くから立ち止まり、結沙は様子を見た。  女性が前髪が長くて顔がハッキリ判らない。    勇は女性に何か焦って言い訳をしている様子。  女性はスーッと交差点向こうのビルを指さした。  勇は非常に驚いた顔をした。  ヒラヒラ・・・。  氷のような雪が舞い降りてきた。 「え? 雪? 」  結沙は手を広げた。  氷のような雪は、結沙の掌に落ちるとシュッと消えてしまう。 「これ、昨日の夜と同じだ・・・」  昨日、リラが「住むところがない」と言った時、同じような雪が舞い降りてきた。  掌で消えた雪は、なんとなく悲しい感じを受けた。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加