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「じゃあ、俺がそこまで送って行っていい? 」
「いえ、大丈夫です。1人で行けますから」
「1人でなんて行かせられない! ちゃんと俺が、この目で見たいから。リラさんを、受け入れてくれる人の事を」
リラは黙って何も答えなくなった…。
「…ごめんね…」
急に謝る結沙にリラは驚いた。
「あのさ。もし、もしも。俺が、他の女の人と一緒の所を見て、リラさんが傷ついたとしたら。謝るから…。でもそれは全くの誤解だよ…」
ギュッと唇を噛んでリラは俯いた。
その顔を見て、結沙はやっぱりリラがさっきの事を見ていたのだと気づいた。
「俺は、リラさんの事を愛しているんだ…」
愛している…
その言葉が、リラの胸にじーんと響いてきた。
「ずっと解らなっかよ。なんで俺は、いっつも起たないんだろう? って。フラれるたびに自分の事責めてたけど。リラさんに会って、ちゃんと反応して。初めは分からなかったけど、やっと分かったよ。俺は、心から愛する人にしか心も体も反応しないんだってね。だから…」
結沙はギュッとリラの手を握った。
「このギュッと繋いだ手を、ずっと離さないでほしい。俺も離さないから。握った手も、そして心も…」
握っている結沙の手がとても暖かくて…。
リラの頬に涙が伝った。
「…私は、貴方をずっと騙しています。それでも…愛してくれるの? 」
目にいっぱいの涙をためて、結沙を見つめるリラ。
結沙はまっすぐにリラを見つめたまま黙っている。
涙がいっぱいの目で、リラは結沙の答えを待っていた。
結沙は小さく笑った。
「噓がいけないって、誰が決めたんだろうね。俺は、嘘をついた人を責めようと思わないよ」
「え? …」
「だって、嘘は自分を護る為についているだけだから。どんな理由があっても、それが人を騙す事になってしまった事は結果論であり。それが全てではないと、俺は思っている。嘘の中にも必ず愛は存在しているんだよ」
嘘の中にある愛?
そんな事、考えた事なかった。
リラは胸がいっぱいになり、何も言えず俯いた。
「リラさんは俺を騙していたって、今、正直に言ってくれたじゃない。それは、俺に対して申し訳ない気持ちがあるからでしょう? 」
言葉にならなく、リラはそっと頷いた。
「じゃあ、嘘をついていても。リラさんの中には、俺への愛があったって事だよ。その気持ちだけで、俺は全て許せるから。もういいよ、自分を責めなくて」
この人はどうしてこんなに余裕があるの?
全てを許せるなんて…そこまで言えるなんて…。
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