最後に教えて下さい・・・

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最後に教えて下さい・・・

 翌日。  いつも通り起きてきたリラと結沙。 「おはようリラちゃん」 「おはようございます」 「ねぇリラちゃん、ちょっと来て」  紗良はリラの手を引いて自分の部屋に連れて行った。 「これ、リラちゃんに買ってきたの。もう寒くなって来たのに、リラちゃん薄着何だもん。是非使って」  紗良が渡してくれたのは、何着かの冬物の服だった。  温かそうな毛糸のセーターや、フリースの上着、厚手のロングスカートやパンツもある。  下に着れるヒートティックや厚手の靴下まである。 「今日はこれを着て」  紗良がリラにピンク系の可愛いカーティガンを羽織らせてくれた。  いつもリラは地味な色しか着ていなかった。  ブラウスもグレーや黒や紺で、スカートも黒系が多かった。  ピンク系のカーティガンを着ると、とても可愛く見えるリラ。 「ねぇ、ちょっと座って」  紗良はリラを鏡台の前に座らせた。  ボブヘヤーのリラの髪はちょうど、肩に着くくらいの長さになっていた。  その髪を、紗良は可愛い白とブルーのシュシュでまとめた。  ハッキリと顔が見えると、リラの綺麗な顔が引きだつ。  それに合わせてプルッとしたピンク系のリップを唇に塗ると、可愛さがひきだって、いつものリラとは全く違う雰囲気になりとても可愛くなった。 「やっぱりリラちゃんには、ピンクが似合うわね。とっても可愛い」  リラも鏡で自分を見て驚いている。 「リラちゃん、もっとオシャレ楽しんでいいのよ。着たい服を着て、メイクだって好きなようにやってみるの。女はね、メイクが出来てオシャレもできるから。男より、ずっと楽しい事が沢山あるんだから。…もう、これからは楽しめばいいのよ。何かあれば、いつでも言って。私が力を貸すわ。結ちゃんの大切な人だもの、私にとっても大切な娘と同じなのよ」  ギュッと抱きしめてくれる紗良。
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