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落ち着きを取り戻して、結沙が部署に戻ってくると。
リラが営業部長と親しげに話している。
営業部長は林田勇(はやしだ・いさむ)56歳。
ごつい感じの顔つきで、がっしりした体つきをしている。
勤続年数30年以上で出世してきた。
社員からも人望の厚いが、悪い噂も流れていた。
どうも女癖が悪いようだ。
今まで営業部だけじゃなく、他の部の女子社員にも手を出していると噂がある。
証拠がない為、はっきりとは言えないが今まで新入社員の女子は必ず狙われていると言う噂もある。
勇と話しているリラ。
表情から見てもかなり色っぽくて、ちょっとだけ開いている胸元を見るとそそられる感じがする。
リラを見ていると、結沙は何となく胸がキュンと鳴ったのを感じた。
この気持ち・・・前にも感じた・・・。
結沙は思いだした。
あの事故を目撃した日。
帰り際病院の前ですれ違ったブロンドの髪の女性。
通り過ぎただけなのに、結沙の股間が反応した。
「まさか・・・」
なんとなくモヤっとした結沙。
リラが席に戻ってきた。
仕事の続きをしているリラを、結沙はチラッと見た。
あのすれ違った女性はブロンドの髪だった。
リラはブラウン。
全く違う・・・でも・・・なんで反応しているのだろう。
結沙は自分でもよく分からなくなった。
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