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そのままリラことイディスは、結沙と一緒にタワーマンションに戻ってきた。
前と同じ姿で帰らないと、きっと紗良も結人も驚いてしまうとイディスは言ったが、結沙が「もう隠すことはない」と言った。
戸惑いながら結沙と一緒に帰ってきたイディス。
「お帰りなさい」
紗良が玄関まで来てくれた。
すると…
「まぁ! どうしたの? 首。大丈夫? 」
イディスの首に巻かれている包帯を見て、紗良が酷くびっくりしている。
「何があったの? 誰がやったの? 」
まるで我が子を心配するかのように、紗良はギュッとイディスを抱きしめた。
「よかった無事で。結ちゃんが連絡くれた時、びっくりして心臓止まりそうだったわよ。さっ、早く中に入って夕飯で来ているわよ」
「あの…その前に、お話ししなくてはならに事があるのですが」
イディスは真剣な目で紗良を見た。
「あ、そうだったわね。朝、話したい事があるって言っていたものね。いいわ、一緒に来て」
紗良はイディスを自分の部屋に連れて行った。
紗良の部屋に行くと。
イディスは全ては話した。
母レイナの敵を討つために、本来、検察官はやらない「潜入捜査」を買って出て派遣社員して名前を変えて宗田ホールディングに入って来た事。
レイナが営業部長の勇に引き殺された事。
そして…母のレイナが魔法使いの一族であり、その血を受け継いでいて魔力を持っている事をも…。
全てを話して、イディスは紗良の答えを待った。
「そうなんだ。だからなのね、何だか普通の人とは違うって思っていたの。肌もすごく透明感があって綺麗だし、瞳の色は透き通る青だし。それにね、リラちゃんって名前。なんだか似合っていないって思っていたの。イディスちゃんの方が似合っているわ。話してくれて、有難う」
特に驚く事もなく、紗良はあっけらかんと納得した。
「大丈夫よ、何も変わらないわ。今までと同じ、名前がイディスちゃんになったほうがスッキリしているわ。さすが、結ちゃんが好きになった人よね。結ちゃんも、とっても変わっているから。何も心配しなくていいわ、これからもずっとっここにいてね」
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