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「いいんですか? 私がここにいても」
「何を言っているの? もう、私達家族じゃないの。名前がどうであれ、本当はどうであっても。そんな事どうでもいいの、これからが大切なんじゃない」
イディスはほっとした。
本当の事を話したら、どうなるのか判らなかった。
でも、こんなに優しく受け入れてもらえるとは思わなかった。
魔法が使えると言うだけでも、人は警戒して離れてしまう事もあるのに。
しかし本当の事を打ち明けて、イディスはとても心が軽くなったのを感じていた。
結人には後日改めて報告するからと言って、今はまだ話しをしないで欲しいとイディスは言った。
紗良は快く承知してくれた。
それから数日経過して。
秋も深まり外はすっかり寒くなってきた。
結沙はイディスと一緒に、レイナのお墓参りにやって来た。
イディスの家は、あれから残された親戚の妻は出てゆき空き家になり、本当に必要な人に「貸家」として貸すことになった。
海外から転勤で来た人や、地方から数年の期間で転勤して来た人や、留学生など目的は様々だが必要な人に使ってもらう事にした。
広くて部屋数も多い家で、シェアハウスとしても利用できそうである。
レイナの一件が解決して、イディスは検察官を退職した。
検察官として勤務を続けていると、どうしてもレイナを思い出し辛くなる事と。
もう一つは…
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