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永遠に愛する人は魔女
季節は冬になった。
町ではイルミネーションが綺麗に輝き、クリスマスソングも流れている。
イディスは長くなった髪に、軽くウェーブをかけて可愛い髪形になった。
着ている服も、地味な色ではなく青やピンク系が多くなり以前とは雰囲気が随分と変わり、町行く人が振り向くくらいである。
今は仕事も何もしていないイディス。
検察官も退職して、派遣も退職して、そろそろ他に何か始めてもいいかな? と思っていた。
が…。
クリスマスツリーの飾りつけをしながら、紗良がとてもご機嫌に鼻歌を歌っている。
「ん? 紗良、随分とご機嫌だな」
「だって、楽しみじゃない? 」
「あ? ああ、だがまだハッキリしていない事じゃないか」
「大丈夫よ。きっと、そうだから」
ツリーの飾りつけをしながら、とてもご機嫌の紗良を、結人はやれやれと見ていた。
お昼を過ぎた頃。
結沙とイディスが帰ってきた。
「お帰りなさい」
紗良が満面の笑みで玄関まで来てくれた。
「ただいま、母さん」
「ただいま帰りました」
満面の笑みの紗良を見て、イディスはちょっと恥ずかしそうに視線をとした。
「母さん、随分と嬉しそうだね」
「ええ、とっても嬉しいもの」
イディスは、言ってもいいものかと結沙を見た。
結沙は「大丈夫だよ」と頷いた。
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