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イディスもほっと一息ついてソファーに腰かけた。
「大丈夫? 眠かったら、寝てていいよ」
「大丈夫よ」
結沙はそっとイディスの肩を抱いた。
「2人も来てくれて、驚いたね」
「ええ、まさか男の子と女の子が同時に来てくれるなんて、びっくりね」
「ねぇ、3人目欲しい? 」
「何言っているの? まだ2人とも産まれたばかりじゃない」
「うん、そうだけど。もう一人いてもいいかな? って思ったんだ」
「そうね。また考えるわ、3人目も双子だったら大変だもの」
結沙とイディスは顔を見合わせて笑った。
外は真夏の太陽がギラギラと輝いている。
もうすぐイディスの母レイナが亡くなって1年経過する。
1年前はこんなに穏やかな日々が訪れるとは思っていなかった。
問題の根源だった勇は現在服役中。
横領したお金は奥さん側が資産を全て使って返済して、今は子供と共に海外へ行ってしまい日本にはいない。
レイナとイディスの家は、留学生が中心でシェアハウスとして使われている。
結沙も無事に副社長へ就任を果たし安泰。
みんながそれぞれの道へ進み、幸せを手にできた。
イディスは妊娠してから魔力が減っているようで、悲しくなっても氷の雪が降る事がなくなっていた。
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