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役起たずから卒業
「な、なに? だれ? 」
真っ暗になり驚くリラを、そのまま引っ張って誰かがエレベーターに乗せた。
驚いて何かを言いたげなリラの口を、大きくてちょっと優しい手が覆った。
驚いたままリラが連れて来られたのは、最上階7階の一番広い部屋。
部屋に入るとグイッと誰かに抱きかかえられ、そのままベッドに連れて行かれたリラ。
「だ・・・誰? 」
目隠しがゆっくりと外された。
ん? とリラが見ると目の前にいたのは…。
結沙だった。
「な、なに? 」
リラは驚いて目を見開いた。
「良かった。部長は、女癖が悪くて有なんだ。あの優しさ、信じちゃダメだよ」
ベッドの端に腰かけて、結沙がリラを見てそっと微笑んでくれた。
「何のつもり? こんなところに、連れてきて」
「ごめん。外に逃げてもよかったけど、部長に見つかっちゃうから。しばらくここで、隠れていればあきらめて帰るでしょう? 」
「はぁ? …なんなの? …」
リラは深いため息をついた。
「ねぇ、麻中田さん」
なに? と、リラは結沙を見た。
「麻中田さんって、地元の人じゃないよね? 」
「どうして、そんな事聞くの? 」
「いや。部長が駅前のイタリアンの話しをした時。知らないようだったから」
「別に…どうでもいいでしょう? そんな事」
起き上がったリラが、フイッと髪に触れた。
その仕草を見た結沙は
「あ…」
また股間に反応を感じた。
結沙はじっとリラを見つめた。
「ん? なに? 」
結沙の視線の気づいてリラは、ん? と見た。
「あ…あのさ…」
リラと目と目が合うと、結沙はドキッと胸が大きく高鳴った。
すると、また股間が反応したのを感じた。
「なんなの? …もしかして、やりたくなった? 」
ちょっとニヤッと笑ったリラ。
「ああ…したい…」
「はぁ? マジで言っているの? 」
「本気。だって初めてだから…」
「何が? 」
そっと、リラの頬に手を添え結沙は愛しそうな目で見つめた。
「初めて…君を見て、俺のが反応しているんだ」
「えっ? 」
リラはゆっくりと、結沙の股間に視線を落とした。
すると…
そこは元気に育っている様子がハッキリ判った。
その様子を見て、リラは目を見開いた。
グイッと引き寄せられ、結沙に抱きしめられるリラ。
「…分かったよ。…今朝、君を見てすごく反応して。目の前に君が来たら胸がドキッと鳴った。…俺…君の事が好きなんだ…」
「わ、私が? 」
「うん。だってほら、体も反応しているじゃん。今まで、どんな人にも反応しなかったんだけど。君には反応しているんだ」
「意味わからない」
「俺もわかんないよ。でも、君の事が好きだってことは分かる」
リラはフッと笑った。
「もしかして、私と付き合いたいの? 」
「うん、ダメ? 」
結沙の腕の中で、リラはニヤッと笑った。
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