第一幕 とある就活中の女子大生

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「……全然違いますね」 「でしょう?しかも、今みたいに答えたら、次の話題にも行きやすいよね?」 「休日はどんなことをしたいのか、とか学生時代の経験を詳しく教えて、とかですね」 「それが自然と聞きたくなるし、それってその人だけの話だよね。そこから人間性っていうか人柄が読み取れたり、経歴が伺えたりするわけで」 「不要な質疑応答が一往復省けるわけですね」 「面接官がなんで?って聞いたら結局今の会話になるのかもだけど、そうしてたら最終的には話せる量が変わってくるよね」 「それに、単純に話がしやすかったです。印象がいいっていうか」 「そこが一番でしょう。とにかく印象をよくする。何十人も面接した後に、あの人は良かったなって思い出してもらえる」 「はー、なるほど。参考になります」 「付け加えるセリフはあんまり多くなると、今度は喋りすぎになるから注意が必要ね。そしてね、この付け加えにはもう一つメリットがあるんだよ」 「え、今のでも十分ですけど、まだあるんですか」 「食いつきがいいねぇ。話がいがある」 「あ、いや!ちょっと待ってください。自分でも考えます」 「おー、いいねぇ。素晴らしい」
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