正社員はじめました

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「失礼します! 小野田店長さんですか?・・わたくし本社の・・」 「あぁ、聴いております、本社の山田主任さんですよね・・」  そう言った小野田はミキの顔を見た瞬間、表情が変わった。その様子に更に驚いたのがミキだった。 「まさか、小野田店長・・どこかに私の面影を感じたのだろうか・・いやジムの飯田コーチだって気づかなかったんだから、きっと大丈夫だよね?」  すると、横に居た太田が相変わらず余計なことを言った。 「店長さん・・主任の事、ご存知なんですか?」 「どうして・・」 「だって、主任の顔を見てビックリされたようなんで?」 「太田! 余計なことを言うんじゃない! 失礼でしょ!・・店長さん、こいつ新入社員なもんですみません」 「いいえ、私は主任さんがあまりにもお綺麗なんで、どちらの女優さんだったかと、つい・・こちらこそ失礼しました」 「でしょ~、主任って本社じゃ、ミス・ミドリって呼ばれているんですから」 「太田! お前帰るか!」 「すみません・・」 「まぁまぁ、ところで派遣社員の件で改革調査されておられるって聞いておりますが?」 「その通りです店長さん・・そこで早速ですが、いま派遣さんって何名いらっしゃいます? こちらの資料では5名となっていますが?」 「この書類の下から5人のスタッフがそうです」  店長が差し出した資料には過去の数十名と現職5名の名前と、その詳細が記述されていた。
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