勉強三昧の学生時代

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勉強三昧の学生時代

 僕は友達がいない。  中学校から私立へ行き、そのままエスカレーター式で高校へ行った。  大学も名門私立に合格した。  中学・高校時代は勉強に専念した。  友達といえる友達は、いなかった。  話してくれるクラスメイトはいたけれど、お弁当はひとりで食べていた。  体育の「2人1組」や修学旅行の班決めはあぶれ、優しい人が声をかけてくれた。  でもそれでも僕は良かった。  全員に無視されてるわけじゃないから。  それにこの学校は、休み時間は机に向かって勉強している人ばかり。  僕は毎日勉強していた。  友達のいない僕は、勉強ばかりしていた。  勉強以外のことは苦手だった。  勉強は僕の支えだった。  勉強は、裏切らない。  親にそう言われた。  スポーツや音楽は才能により左右されるかもしれないけれど、勉強は「確か」だから。  勉強は才能なくてもできるし、勉強しておけばちゃんとしたお仕事ができるし、好きなお仕事を選ぶことができるから、と。
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