未来はバラ色

1/1
前へ
/48ページ
次へ

未来はバラ色

 大学でも勉強していた。  六法全書を丸暗記する勢いで、読書代わりに読んでいた。  法学部に入れば色んな選択肢がある。  第一志望は弁護士、第二志望は行政書士や司法書士。  裁判官になったら、僕をバカにしていた奴が悪事をして問題になった際、目の前で裁いてやることもできるかな?  一流企業に就職しても、いいな。  僕の未来はバラ色だ!!!  大学でも相変わらず、友達はいなかった。 当然彼女もいなかった。  だけど彼女なんていても、その彼女と付き合う時間や労力を換算すると、とんでもないことになる。  例えば女と話したり戯れる時間を1日平均2時間としたら、2時間×365日だから、1年におよそ730時間を無駄にすることになる。  そんな時間あるんなら、勉強に使った方がずっと効率的だ。  女にプレゼントを買うことや食事を奢ること、割り勘するにしてもその際の飲食代といった交際費がかかる。  そんな金あるんなら、参考書を買うなり資格取得のために使う。  女というのは気分屋でヒステリーで面倒だという。  そんなことに僕は貴重な労力を使いたくない。  頭の悪い女に引っかかってしまうと、束縛されてヒステリーを起こされ、振り回されて奢らされ、プレゼントを買わされる。  夜中に電話してきたり、講義をさぼるよう促される可能性もある。  冗談じゃない!!!  大丈夫、彼女なんて大学出てからも作ることは可能だ。  それに、将来エリートになって稼ぐ男になる僕を、女の子はほっとかないだろう。  賢くて仕事ができ、稼げてモテモテの僕…  あー、未来はバラ色だ!!!
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加