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コウスケの笑い顔がくしゃりとつぶれたようになって、辺りに闇が広がった。
輪唱のメロディがこだまする。
終わらないよ。
この曲は、ずっと続いてゆくんだよ。
この道も、ずっと続いてゆくんだよ。
「なにぼんやりと歩いてんだよ。転ぶぞ」
後ろからそう声を掛けられて、僕は慌てて振り向いた。
「なんだ、コウスケか」
わざとつまらなさそうに言うと、コウスケがにやりと笑う。
いつもの放課後。帰り道。
夕日に照らされて、影が長く伸びていた。
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