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今まで私は…
ず~っと四国の端っこに住んでいる私
友達が高校卒業で上京する
数少ない大学での仲間が卒業で上京する
幼なじみは嫁に行き行き先は東京
夢を追って上京してしまった元彼
東京は私の大事な人を奪う場所
そう思っていた
そうこうしているうちに私は社会人になり
幾年かの積み重ねで仕事もそれなりの事を任せられそれなりに充実していた
「朝永!ちょっと…」
えっ?私何かした?
「はい」
「本社勤務の話だ」
それから何回か呼ばれたが
その度断っていた
東京が怖い
この土地を離れるのが寂しい
私もだが…
残される者は
何人も見送る度
ふと頭を過るのが
「こいつもここを捨てるのか…」
色んな感情が混ざって
本社勤務を断っていた
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