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その夜、櫂が私を求めて来た。
実は新学期になってから櫂がちょっかいを出してくる事は多かったが、エッチにまで至ることはなかった。
お互い忙しいからとさして気にも留めなかったのだが、今日は櫂がとてもしたい気分らしくてお風呂を出てからやたらと私に触れてくる。
すぐに服を脱がされ、寝室スペースでいつもの行為が始まったけど…あれ…?
なんだか痛い。櫂がいつもの通りあそこに口づけて自分の舌と指で拡げ始めたけど…なんだかいつもより痛い。
「櫂、待って…!痛い…!」
「待たない」
どうしよう…いつもの睦言だと思われてる。本当に痛いのに…!
「櫂、あのね…ああ…!」
ダメだ、挿れて来た。やっぱりすごく痛い…!
「櫂…!いや…!止めて…!」
更にグイグイ来た。本当に痛いのに…!!
「止めてぇー…!!」
「え?」
私の尋常ではない悲鳴に、さすがの櫂も動きを止める。そして自分を抜いてくれた。
荒い息の下で大泣きの私に櫂が明らかにうろたえている。
「洸…?」
「違うの…本当に痛いの…!どうして…!」
どうして分かってくれないの…?もう痛くて…!本当に激痛で、絶対に自分がいつもの自分じゃない。
そして櫂も自分の指を見て呆然としてる。薄い茶色の何かが付着していた。
「え…?」
血じゃないと思う。でも、きっと何かだ。
「洸…!?」
ボロボロと涙を流し続ける私を、櫂はただ呆然と見つめていた。
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