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『そう…卵巣嚢腫の疑いか。やっぱり洸は婦人科が弱かったのね』
「お母ちゃん、どうしよう…櫂の赤ちゃんが出来なくなったらどうしよう…!櫂、あんなに楽しみにしているのに…!」
子供が作れる状況になったら、本当に何人だって欲しいって言ってるのに…
『大丈夫、だって私は洸を産んだわよ』
え…?
『お母ちゃんも若い頃に卵巣嚢腫になってね、右の卵巣を摘出しててもう無いのよ。でもちゃんと洸が出来たわよ。洸はお母ちゃんに体質が似ちゃったのね』
「お母ちゃん…」
『余り考え過ぎないで。検査の結果は明後日ね、ちゃんとお母ちゃんに報告してちょうだいね』
「うん、わかった」
『何があっても私と櫂は洸を守るからね、それを忘れちゃだめよ』
「うん…」
櫂もきっと私を心配しているね。
お母ちゃんと話したら気持ちが大分落ち着いた。今日はちゃんと晩ご飯を作って櫂を待とう。
「あ」
ちゃんと櫂からメールが入っていた。大丈夫かと気づかっている。
ちゃんと櫂はいつだって私の事を思ってくれている、ただちょっとすれ違いがあっただけで。
『大丈夫よ、帰ったらお話があります』
明後日は一緒に病院に行ってもらおう。
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