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夘月は先天性の心臓病を患っていた。
夘月の今は亡き母、美月が心臓病を患っていた。
夘月はその病気が遺伝したのだ。
母は夘月が小学生に上がる前に亡くなっていた。
治療のためアメリカに一家で引っ越ししたのだかそれでも母は亡くなってしまった。
だから父さんは夘月がどんどんと飛び級して12歳で大学を卒業した時も、仕事で日本に帰らなくてはいけなくなって夘月を置いていくことになった時も、夘月が医師として働き始めた時も、人一倍心配してくれていた。
夘月がわずか13歳で働き始めると行った時には引きずってでも夘月を日本に連れて帰ると大暴れした。
それでも病院に居るという安心感を訴え掛け続けた結果なんとか許可もしてもらえた。
それからもう3年が経ち、夘月は立派な医師になっていた。
「どうしてもな訳?」
『どうしてもだよ。むしろ命令。夘月、日本に帰って来て八雲学院に編入しなさい。』
「...分かったよ。」
『!本当かい!?一ヶ月後には日本に帰国できるように準備しておくんだよ。迎えを寄越すからね。それからそちらの大学病院にはパパから伝えておくから安心すると良いよ!』
という事があったのだ。
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