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「セイタイ……えっ! 奢ってもらえるの!? 俺もインタビュー受けるわ」
「ふはは。そこ? 聞いてみるけど……けっこうどぎつい質問されたよ? なにしろ生態調査だから。そんでもいいなら玉木さんにメールするよ?」
「でもさ、顔や名前晒されんじゃないんしょ? だったら怖くなくない?」
「うん。怖くは無かったよ? ちょっと恥ずかしいくらい」
ちょっとどころじゃなかったけど。俺は……。
「ふ~ん……」
頷きつつ、奏真は身体を倒しコタツの天板に頬をくっつけた。襟元があらわになり、直樹の目は奏真の白い肌に釘付けになった。てろんと伸びたTシャツの奥に、どうしても目がいってしまう。
奏ちゃんなんか……エッチ……。
直樹の脳が処理する間もなく、ポケットの中の携帯が鳴った。画面を見ると母親からだ。
「あ、やべ。奏ちゃんちょっと手伝って」
「ん? なにを?」
「電話、母ちゃんから。……もしもし? あ、ごめん。今、奏ちゃんちにいるー。うんうん。了解でーす。はい」
挨拶してくれと、直樹が奏真へ携帯を渡す。奏真の声を聞いておけば、母親も安心する。奏真は「俺?」と、戸惑った表情をしてたが、携帯を持ち耳へ当てた。
「あの……もしもし? ……おばさん? あ、今晩は。ご無沙汰です。……うん、全然っ。うん、大丈夫。あー、母ちゃんがおばさんによろしくって。はい。うんうん。おやすみなさーい。直樹にかわるね?」
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