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「ふはは。で、今日もお泊りオッケー。ラッキー。瀧本さんは何時頃帰ってくるの?」
「ラッキーって、朝方だけど。勝手に決めてんじゃないよ。ったく。電話して聞いてみる」
時計をチラッと確認して奏真は瀧本へ電話をかけた。
「もしもーし。着いた? ううん。そんなんじゃないんだけど、あのね? 友達が泊めて欲しいって言ってんだけど泊めてあげてもいい? ……うん、ありがと。お仕事、頑張ってね。はーい、おやすみなさぁ~い」
「…………」
奏真の甘えた声に二人の関係を再確認してしまい、直樹の気持ちは一気に沈んだ。
「いいぞ。ってさ」
「うん。ありがとう。あ……でも、やっぱり悪いから、俺、帰るよ」
「えー、なんでよ。いいって言ってんだから泊まんなよ」
不満気な奏真。顔には「ガッカリ」と書いてある。直樹も奏真をしょんぼりさせたいわけではない。
一人で留守番って、やっぱ寂しいよね。いくら寝るだけでも。
「うん。泊まっていいなら……。あ、瀧本さんが戻ってくる前に起きて帰るよ。それならいいよね?」
二人がイチャイチャしてるのだけは見たくない。
「ゆっくりしてきゃいいよ。どうせ帰ってきても風呂入って寝るだけだし」
「寝るだけって……布団、いっこしかないよね? それならやっぱり…」
そこまで考えて、ハッ! と気づく。
俺も、奏ちゃんと同じ布団で寝るってこと? それは、嬉しい。いや、でも、二人が毎晩、毎朝? 一緒に寝てる布団だよね? そこに俺が入っていいの?
考えていたら、妙に下半身が熱くなってくる。
あれ? なんか俺、興奮してる?
股間の真ん中がムズムズしてジーンズにひっかかってきつくなる。ごそごそ直樹が位置を直していると奏真が言った。
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