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月夜を見上げながら二人はアパートへ到着した。すぐに交代でシャワーを浴びる。部屋で待っている間、妙にソワソワしてしまう。直樹は息子を見下ろしこんこんと言い聞かせた。
奏ちゃんがどんなにいい匂いをさせて戻ってきても反応すんなよ! 分かった?
戻ってきた奏真とキンキンに冷えたアイスを食べる。
あぐらをかいてアイスを食べながら、直樹はつい奏真を観察してしまう。襟が伸びた大きめのTシャツから見える鎖骨。白い首筋。
こういうのって、俗に言う『無防備』ってやつだよね? 俺が好きって言ったこと、奏ちゃん忘れてるんじゃなかろうか。天然ちゃんだし。
「奏ちゃん」
「んー?」
「あのさー。その……色々とアレだよ? 奏ちゃん可愛いから……気を」
「あー、直樹っ! 溶けてる!」
「ん?」
いきなり奏真が直樹の腕を掴み持ち上げた。
「おぉ……っ!」
直樹がビックリしてると、奏真が直樹のアイスの角にカプッと食いつき、ちゅーっと水分を吸う。目の前に白い喉が飛び込んできて、直樹の心臓が一瞬止まった。
「せーふ」
それから奏真は自分のアイスもチェックする。溶けそうな角をかじかじと齧り、ある程度周りを小さくすると、あむっと一気に全部を口の中に入れた。すぼめた唇からアイスの棒を出し入れする。
だから……なんか全部エロいんだってばー! 俺の息子がソワソワしちゃってる。まずい。非常にまずい。息子の気を逸らさないと!
「あ、げ、ゲーム。ゲームしようか?」
「おー」
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