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 ちょっ……っちょっとちょっとっ! せっかく静かになった息子が目覚ましちゃうでしょお?  直樹はなんとか奏真を引き剥がそうと、体を捻った。  しかし、今度は足が降ってきた。手と足で抱き枕のように抱えられ逃げるに逃げられない。  し、幸せ……いやいや。いい気持ちになっちゃダメなんだってば! それにだ。今何時だろう? 瀧本さんは何時に帰ってくるんだろう? 奏ちゃんが俺にこんなにくっついて寝てるの見たら?  直樹の頭の中に髪の毛を逆立ている瀧本が浮かんだ。 「やばいやばい。奏ちゃん。ちょっと……」  熟睡している奏真の頬をペチペチ叩く。 「んーう……」  そのまま目を覚ますでもなくゴロンと反対側に奏真が寝返った。無事に解放されホッとする。  直樹も、ようやく眠ることができた。
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