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prologue
いままで、俺はそこそこの人生を歩んできた。
俺の家も、金持ちなわけでもなければ、あったか家族ってわけでもない。
ただの貧乏……。
でも、友達はいるし。高校にだって行ってる。
俺は、普通。
みんなと変わらない。そこそこの人生だよ。
いつでもハッピーなんて、本当にそうならもちろんありがたいんだろうけど、生きてる以上そうじゃないことの方が多いってことも、もう知ってる。
俺を中心に世界が回るなんてことは、天地がひっくり返ったって起こらない。周りが動いてるから、世界は回る。
中学で公転と自転を習った。
軌道に沿ってお行儀良く周る惑星。その流れの中、ひたすらスピンするのが自転。
俺は自転。
俺には決められた軌道なんてない。
ないのに、ただその世界の中で、地球と一緒に回ってる。
言い換えれば、遊園地の回転木馬かな。
煌びやかで賑やかな世界の中なのに、走っても走ってもどこにもいけない。なのに駆け続ける。
流れる景色は結局いつも同じ。
世界は変わらないってわかってるのに、俺は地球と一緒に自転する。
ずっと同じ場所で人知れず、くるくるくるくる回ってんの。
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