ワタシは宇宙人 「気配」 #10

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ワタシは宇宙人 「気配」 #10

高校時代のわたしは、鎖から開放されたように心はとても軽かった。また友達もたくさんできた。 相変わらず、新しい友達からは『変わってるね』と言われた。でもその時は『面白い』って言葉がおまけで付いてきた。 とても気分が良かった。 "変わっていることは、わたしの個性なんだと少し気づいた。はじめて自分を受け入れた瞬間だった。" 自分らしくいることはとても楽なんだと知った。そう、楽だから楽しいんだ。 "楽しい高校生活。" なのにここに来て、わたしはまた不可思議な現象に悩まされる。 わたしが家に1人でいると誰もいないのに物音がしたり、物が落ちたり、倒れたりした。時には、勝手にラジカセが鳴ったりと変なことが起きていた。 当時のわたしの家は築150年程の古民家だった。わたしが小さい頃は第二次世界大戦当時まで使っていた馬小屋が土間の奥にあった。 わたしが小学生の時に馬小屋の辺り一体を改装した。しかし、半分は古いままだった。 わたしは縁側の横にある古い部屋で寝起きしていた。たまに夜中に異様な気配がして目が覚めた。 ある日の夜だった。 またいつものように異様な気配がして夜中に目が覚めた。その時は直感的に "誰かくる…" と思い、目を開けた。 すると、部屋の右側の壁から人が出てきた。腰の曲がった背の小さいお婆さんの影だった。 そのお婆さんは、ゆっくりとわたしの頭の上を通り過ぎ、左側の戸の出口へと抜けて行った。 その時に、重たい木の引き戸が『ミシッ』ときしむ音がした。 "え?誰?" その音を聞いて急に怖くなった。わたしは大きな声で母を呼んだ。 "お母さーん!お母さーん!" 母は驚いて部屋に飛び込んで来た。 母に今起きた一部始終を話したが、最後は必ず『何か悪い夢でも見たのだろう』といつものセリフを言って部屋を出て行った。 わたしの家族はこのように、時折、夜中にわたしに呼びつけられるのだ。 『また変なことを言う』と一言めに言われるのが嫌だった。わたしだって出来れば言いたくない。 わたしには小さい頃からこのような事が度々起きていたが、高校生になるとより分かりやすく起きてきた。
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