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ワタシは宇宙人 「赤ちゃんとの遭遇」 #02
わたしは小さい頃から
"変わってるね"
と色々な人から言われてきた。それを言われると気分は良くない。なぜか傷ついた。バカにされているような、そんな気持ちになった。
でも自分を隠すのはとても難しい自分を隠すのはとても難しいことだ。
"わたしは生まれる時からの記憶がある。"
その後も小さい頃の記憶が色々ある。
生まれて間もなくして退院した後、自宅に連れられて祖父母に対面し、その後別の場所へ向かった。
わたしは車の中で寝てしまい、気づくと知らない場所だった。今思えば分かるが、母の実家に来たのだ。
ちょうど布団に置かれるところでわたしは目が覚めた。
すると母と数人の大人達がガヤガヤと騒ぎ立て顔を覗きに来た。怖くなって助けを求めて泣いたら、母が優しく布団の上からトントンと叩いた。
しばらくすると安心してまた眠気に襲われた。すると母の手の動きが止み、静かに離れて行った。
それにわたしは気づき、
"置いて行かれる!1人にされる!"
と思い、嫌がってまた泣いた。すると慌てて母が戻ってきた。
この時に、こうして泣けば母が来てくれるんだなぁと理解した。わたしは1人になるのが怖くてたまらなかった。
ある日、着ぐるみ剥がされて大きなタライの中に入れられた。お風呂だ。すると誰かが黒く四角いものを持ってきて覗き込んでいる。それがピカッと光った。
カメラだったのだと小学生になって分かった。その時の写真がちゃんと残っているからだ。
子供の頃、両親にこの時の記憶を話したが信じてもらえなかった。生まれたばかりの記憶なんてある訳ないだろと笑われてしまった。
"わたしが1歳になる年の出来事"
まだ1歳で歩く前からすでにわたしはヘラヘラと何でも喋っていた。
春の日差しが差す、ある日の事だ。
母に連れられて出かけた時の話だ。近所の坂道を母におんぶされてゆっくりと登った先に家が見えた。
『どこ行くの?』
とわたしが母に訪ねると
『赤ちゃん見にいくの』
と教えてくれた。ふーん…と言いながら、赤ちゃんて何だ?と思っていた。
ようやくその家に着き、母が声をかけると、家の中に入った。中では『赤ちゃん』の母親がニコニコしていた。
奥を見ると布団に寝かされている『赤ちゃん』がいた。母とわたしは『赤ちゃん』の顔をのぞき込んだ。
わたしはまだ小さな『赤ちゃん』とやらが不思議で仕方なく、優しくほっぺを触ってみた。
そして『赤ちゃん』と呼びかけると、母たちが顔を見合わせている。
そして『あなたも赤ちゃんでしょ』と言って大笑いしていた。
(そうなの…?)
と思いながら、何がおかしいのかさっぱり分からなかった。何かまずい事を言ってしまったのか?と気に病んだ。
帰り道、母に
『なんで笑ってたの?』
と聞くと
『あなたたちは同級生だよ』
といった。余計に意味が分からなかった。
後になって分かったのは、わたしは6月生まれで『赤ちゃん』は翌年の3月生まれだったので、同級生というわけだ。
『赤ちゃん』を見に行ったのが5月頃だったので、私はまだ11ヶ月の赤ちゃんだったのだ。
とても忘れられない衝撃的な出来事だった。
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