ワタシは宇宙人 「みんな大好き」 #05

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ワタシは宇宙人 「みんな大好き」 #05

小学校時代のわたしは天真爛漫だったと思う。人が大好きで大好きでたまらなかった。 誰かの役に立てる事が嬉しくて、無理をしても手伝いたかった。 人を笑わせることも大好きで、ふざけてみては誰かを笑わせた。 そして歌が大好きで、いつも歌っていた。 絵が大好きで、絵のコンクールは入賞する事が多かった。 感動家で何かに感動しては大粒の涙を流し、怒った時は大きな声で泣いて怒った。 そうそう、わたしには3歳年下の妹がいた。妹はとても家族に可愛がられていた。とても気が利いて要領がよく、わたしとは比べものにならなかった。 わたしの思い込みかも知れなかったが、妹ばかりずるいといつも思っていた。 妹とは喧嘩ばかりで、いつもわたしばかりが怒られた。喧嘩はわたしがふっかけることが多かった。 今となっては大好きな妹。頼りになるしっかり屋さんだ。本当に尊敬する。あの時はごめんね。 子供の頃は、みんな大好きだった。 家族が大好き、友達が大好き。 人間が大好き。 空も草も、土も石も、鳥も虫も大好きだった。 全てがわたしの家族のようだった。 みんな幸せになって欲しいといつも願っていた。 誰も悲しまないように、わたしが笑っていようと思っていた。
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