ワタシは宇宙人 「掛け間違えたボタン」 #06

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ワタシは宇宙人 「掛け間違えたボタン」 #06

わたしは小さい頃から『変わってるね』とよく言われた。それが何が変わっているのか分からなかった。 そんな『変わってる』私が中学へ入学したときの話だ。 中学校に入ると、去年卒業した懐かしいMちゃんの姿が見えた。本当に嬉しかった。 1つ上のMちゃんとは小学校のころは仲が良く、途中まで一緒の帰り道がそれは楽しかった。わたしがふざけるといつも笑ってくれた。 そんな帰り道が昨日のことのように感じた。嬉しくて一目散にMちゃんの側に駆け寄って声をかけた。 "Mちゃん!久しぶり!会いたかったよ!" するとMちゃんは迷惑そうな顔をしてこう言った。 "ここは小学校じゃないんだから言葉遣いに気をつけなさい。先輩って言わないとダメだよ。" 彼女は別人だった。もう、わたしの知ってるMちゃんではなかった。わたしには中学校の縦社会のシステムが全く理解できなかった。 小学生の気分のまま中学に入って生意気な上に、自分の感情をそのまま出す私の姿は目に余るものがあったのだろう。 "そして少しずつ、わたしの運命の歯車が狂いだしている事にもその時は全く気づいていなかった。" 部活は友達と同じところに入ると約束していたので友達に合わせることにした。が、そこは吹奏楽部だった。 当時、部員は40名ほどいたかと思う。吹奏楽部は学校で一番力を入れて活動していた。そして、その部活の先生は学校一怖い先生だった。 そこには1つ上のMちゃんもいた。でも、もう2人で笑い合う日は戻って来なかった。 人が少ないからと言ってわたしは打楽器に配属された。 が、大好きな音楽なのに、全く楽しくなかった。 合奏のときは先生にはいつも叱られていた。叱られるとわたしの頭の中は真っ白になり、リズムをとるどころか、譜面を目で追うことも難しかった。 その度に演奏がとまり、先輩たちの視線が刺さった。 "ただ突っ立ってるなら誰でも出来んだよ!邪魔だ。帰れ。 先生に怒鳴られる。また頭が真っ白になるという悪循環だった。" ただ『すみません』と謝ることで精一杯だった。どうか、早くこの時間が過ぎますように…そう祈りながら地獄の時間を過ごしていた。 それからというもの、毎日毎日部活の度に先生に怒られるようになった。 返事1つ、行動1つから大声で怒鳴られた。 "てめぇ、舐めてんのか?ここは中学校だぞ。てめぇは何様だ!" その言葉にどう反応して良いか分からずに、困っているとまた怒鳴られた。 "なんだその顔は!文句あんのか!?" 『い…いえ…』 わたしは声が震えた。 すみませんでしただろ!馬鹿野郎! 『すみませんでした』 完全に目をつけられていた。 それでもまだわたしは自分が置かれた状況が分かっていなかったのだ。 自分の何が悪いのか分からなかった。それを友達に教えて欲しいと聞いても、 "自分で考えたら?巻き込まないで。" と突き放された。 そのうち、変な噂が広まり教室ではみんなが私を避けるようになった。
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