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後に、女神は語る。
異世界から転生してきた、本来ならば存在するはずのない“異物”。歪んだチート能力を与えられても、どれほど美しい容姿を得ても、その本性が変わることがなければハッピーエンドは迎えに来ないのだと。
「異世界転生なんて、ほいほいするもんじゃないわね。次はこの世界から、ちゃんと勇者を見出すようにしないと。ほんっと、これだから自己愛しかないワガママ転生者は困るわー」
反省の色などまったくなく、女神は呟く。
果たして、一番性根が腐っていたのは誰であったのか。
どのような展開と選択が、この世界における最善であったのか。
残念ながら、その答えが出せる者は此処にはいない。
「全身に油をしみこませた包帯を巻いて、足の先から燃やしてやるのはどう?」
「お湯の入った釜に閉じ込めて、ぐつぐつ煮てやるのも悪くないと思いますが」
「それもそうだけど、やっぱり一番憎たらしいのはあの女の欲望でしょう?なら、女の象徴を一つずつ潰してやる方がダメージが大きくない?」
「苦しい拷問はひとしきりすべて試せばいいのでは。楽に死なせてやる義理などないのですから」
恐ろしい相談をわざとらしく聞かされる姫は。当然何一つ、知る由などないのである。
「いや、やめて……死にたくない、私悪くないのに、悪くないのに!いや、やめて、やめてええええ!」
愛なき偽ヒロインが、認められることなどない。
それが、世界の真実である限り。
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