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―――そんな中、
彼女の作ったこの【娯楽部】という存在。
もちろん、公にはこのような部の設立は御法度であり、見つかれば即廃部、事の次第においては学校全体へのペナルティにもなりかねない。
しかし、賽目のなんとしてでも部を作りたいという泉南高校教師陣への懇願から、教師全員合意の秘匿事項として部の存続が認められたのである。
そして、その在部生徒数―――
わずか「一人」――――――
理由は至極真っ当。
生徒にとって【娯楽部】に在籍するというのは、言い換えるならば自分が反社会勢力であると公言しているようなものであり、仮にこの事実が公になった場合にはNEACによる圧力によって退学どころか、今後の社会生活を無事送れるかどうかも甚だ疑問である。
そのような後の人生に大きくかかわる巨大なリスクを冒してまでこの部に入ることは、いくら顧問教師が賽目であったとしても―――はっきり言って自殺行為に等しいのである。
しかし、その中でも在部生徒数「一人」
果たしてこれはいったいどのような人物なのか―――
その真実は本人と賽目、そして入部届に密かに印を押した校長以外誰も知らない。
【娯楽部】の活動を実際に目にしたものは生徒内では誰もおらず(というか、自分も娯楽に興味ありと判断されるのではないかと、見ることすら憚られるのが現状である)、【娯楽部】の実態というのもあまり知られていない。それについては賽目も活動内容を黙秘しており、しつこく聞く生徒たちには殺し文句として「入部するなら教えてあげる♡」と一言。
これにはどんな詮索好きな生徒や噂のネタを探す生徒もお手上げである。
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