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「―――花山も、もっとこういう姿を見せればクラスのみんなともうちっと打ち解けられると思うんだけどな……」
(!)
「い、いいじゃないですか、今はクラスのことは……」
「よくないぞ? お前だっていずれは卒業して、この部からも出て行って……」
そんなこと分かってますッ!
本音を突かれて、つい年甲斐もなく叫んでしまう。
「―――でも、でも私は、こういう『遊戯』の中でしか、うまく感情を表すことが出来ないんです。友達ともいっぱい話したいし、一緒にこういうゲームもしたい……」
「でも、でもそれができないから、今ここにいるんじゃないですか……」
「…………」
「…………」
「―――そうだよな、悪かったよ……」
―――重い沈黙が訪れる。
私は嫌いだ。
どちらも悪くないのにこういう空気になってしまう、社会の不合理を表すような今の状況。
―――いや、違う。
どちらも、ではない。
実は答えは分かりきっていて、悪いのはそれでもなお、その答えに踏み出せずにいる私。
そう―――嫌いなのはこの空気ではない。
私はこんな自分が嫌いなのだ。
私は私が大嫌いだ。
―――でも『今』は
今だけはその選択から逃げさせてください―――
きっとこの先、近い将来にちゃんとしますから―――
やっと見つけた楽しい『今』をまだ奪わないでください―――
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