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問題は次!
どうやってパーティードレスから着替えたのか。
もちろんあたしは眠っているため、自分で着替えなんてできない。
だったら……
その一、汐崎さんがあたしを着替えさせた。
そのニ、池内くんがあたしを着替えさせた。
その三、汐崎さんと池内くんの二人があたしを着替えさせた。
「待ってよ……。どの選択肢も最悪じゃない……」
しかし、それ以外考えられない。
……見られた?
あたしの見られたくない恥ずかしい所、全部見られた?
あの二人のどちらか……
もしくは両方に……
目が覚めた場所が病院だったら、看護師さんに着替えさせられたのかな…と、素直に思えたけれど……
明らかにここは病室じゃない。
あぁ……、神様……、夢だと言ってもらえませんか…?
そんな事を願うも、もちろん神の声なんて全く聞こえない。
……どんな顔してあの二人の顔見たらいいのよ……
猛烈に頭を抱えたくなり、躊躇うことなく頭を抱えた。
……今更だが、セットされていた髪の毛も解かれており、セットの名残でついたゆるいウェーブがかった長い栗色の髪が胸元で揺れている。
頭を抱えた腕に髪が絡んで………って、あれ?
パジャマの袖から覗いた腕に包帯が巻かれてある。
あたしは頭から手を離し、包帯が巻かれてある方のパジャマを捲りあげた。
「あ……」
すごくキレイに巻かれた包帯。
……そういえば、あんなに痛かった腕が、そんなに痛くない。
それに、あんなに気持ち悪かったのに、もう気持ち悪くない。
寒気もすっかりどこかへ。
独特の気怠さはあるものの、今はその程度だ。
……あたしに何が起きたの?
頭の中はクエスチョンマークだらけ。
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