6/14
前へ
/150ページ
次へ
思考を現実に戻し、栗林は、駐車場に停まっている白いSUVの車に近づいた。 車前方のグリルには、中央に社名を囲った円があり、円の右斜め上に矢印がデザインされていた。 グリルの右上から左下へ対角線に、円を串刺しにするようなバーが配されている。  車のドアの施錠は自動で解除され、車が挨拶をするかのように、前後のウインカーが二度点灯した。 栗林がドアノブに触れると、運転席のドアはゆっくりと開き、栗林は運転席へと腰を下ろすと、ドアはひとりでに閉まって、シートは栗林のポジションに合わせて動き出した。
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加