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「お、そうね。そうしたいんですが、財布を店に忘れちゃいまして」 「財布はなくても、支払いはできるだろ」 「いや、それがそうもいかなくて、スマホも忘れちゃったんですよね。先輩、 一度店に戻りません?」 「なに?めんどくさいやつだな」  はあ、と栗林は肩を大きく上下させてため息をついた。 「まあいい。じゃあ一度店に行くとするか」  相手をするのも面倒になり、栗林は伊沢を置いて歩き出した。ポケットから取り出した携帯灰皿に吸い殻を詰めながら、伊沢は後に続いた。
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