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「あれもひょろひょろと大きくなったよなあ。今の子は大きいよなあ。うん」
「そうですか」
クラスでは自分と同じくらいか、それより低い奴が大半だけどなと思うも、わざわざ否定することでもないだろう。叔父の中では若い子イコール大きいという図式が成り立っているのかもしれない。
「その和臣だけどな。今日の夜には帰って来るってよ」
「あれ、実験が忙しいんじゃなかったんですか」
「そんなこと言ってたけどな。会いたいんだろ。何とかならんかって、せっついておいた」
「うわあ」
俺、凄く悪いことをしてないか。そんな不安が悠人の中に広がる。信明とすれば年に一度やって来る甥っ子のためなのだろうが、和臣の都合を無視していいのだろうか。人工知能なんていう凄いものを研究している人なのに、邪魔しちゃ悪い。
「いいんじゃないか。パソコンかスマホさえあれば大丈夫とか言ってたぞ。今時、コンピュータに張り付いている必要はないんだと。だったら初めから帰れるって言えって話だよな」
「へえ」
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