ガチャ神降臨*

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 懇願と疑念を抱きながら、自称神へスマホを渡す。  すると彼は何の気負いも見せず、すぐさまぽちっとガチャの単発ボタンへ人差し指をふれさせた。 「えっ、えっ、えっ、マジで?! マジで?! えー?!」  星五(SSR)確定演出である虹色のアニメーションが画面に流れ、元気一杯な可愛らしい声と共に一枚のカードが現れた。  血尿を出させるほど俺を惑わせた、あいり(推し)の限定水着カードが。 「うわー!! あいりー! あいりー! 水着あいりー!!」 「さっきも言ったけど、オレはガチャの神だからな。排出率とか関係ねぇから。狙ったものを一発で引けるのが当たり前だし」 「あばばばば!! 本当にありがとうございますっ!! わー……水着のあいりだぁぁぁ……!」 「おいコラ、約束!」  ガチャ神からスマホを奪い返し、キュートなビキニを着たメチャカワなあいりをガン見していると、耳を引っぱられた。 「いててっ! ――あぁそうですね。……はぁ」 「はぁ、じゃねぇよ。バックレさせねぇからな!」  ガチャ神は俺への信用度がとても低いらしく、気のない返事をしただけでお怒り気味だ。 「逃げやしませんよ」  これまでアホほど課金してガチャを回してきたのだから、さっきたまたま確率が収束して推しが出ただけなのでは? ――という考えが浮かんだが、空気を読んで口には出さない。 「おら、四つん這いになってケツ上げろ」  アンタほどの美形なら男女どちらでも食い放題だろうに……という言葉も飲み込み、俺はスマホを持ったまま要求された通りの体勢をとる。  あいりにこんな姿は見られたくないので、ゲームは終了させた。 「お金じゃなくて本当にいいんです? 男の尻なんかに価値なんてありますかね?」 「樋口一葉一枚よりはるかに価値があるから安心しろ」 「えぇー……本当スかぁ?」  ガチャ神は俺の後ろへ回り込むと、俺がはいているトランクスに手をかけ、容赦なく引きずり下ろした。  元々の装備がパンツ一丁だったので、俺はほぼ全裸になってしまった。  学生時代から使っているエアコンの冷気が丸出しになった尻をなで、恥ずかしくてまた顔が熱くなった。
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