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まるやま店内
小川は結城と野間口が座って席に来てメニュー表を置きながら笑顔で
『こんな時間に来るなんて珍しいじゃん。』
結城は笑いながら
『小川さんの笑顔が見たくなってさ。』
野間口も笑いながら
『一日一回は小川さんの笑顔を見なきゃさ。』
小川は二人の言葉に笑って
『その言葉、笑いながら言う言葉じゃないからね。しかもそのセリフ、二人の奥さん達に言う言葉でしょ。メニュー決めちゃって。』
結城は小川の言葉に笑いながら
『俺はカツ丼と生野菜大盛り。』
野間口は結城の注文に
『俺は天丼大盛りで。って、お前が生野菜大盛りって珍しいじゃん。』
小川はメニューをメモをしながら
『結城君はカツ丼と生野菜大盛りで、野間口君は天丼大盛り。って、生野菜大盛りってついに体を気にする様になったんだ?』
結城は笑って
『四十前だし体、気を使わないとさ。』
小川は笑顔で
『それ良い事だよ。それじゃ待っててね。』
小川は厨房に入り、結城は野間口に
『そろそろお前も考えた方が良いぞ。』
野間口は笑って
『俺の健康法は毎日生ビールの大ジョッキを一気に飲む。それが俺の健康法だから大丈夫だ。』
結城は野間口の言葉に呆れて
『あれが健康法って………お前の考えが良くわからん。』
………………
鴨川警察署捜査一課
植松は手帳に結城の言葉をメモしながら
『その三人のアリバイを調べればいいんですね。』
結城は手帳を鞄に仕舞い
『その三人の供述通りなら、あの時間にオキタニ電子館山本店にいた人達を調べなきゃならないよ。』
大門は腕組みをし
『そうなれば先輩達だけでは無理でしょうから、その時は自分達も捜査しますね。』
植松も鞄に手帳を仕舞い
『それでは大至急その三人の当日のアリバイを確認します。大門先輩、各所轄の警察署に応援を要請していいですか?』
大門は植松の言葉に
『もちろん応援を要請して。』
植松は
『了解です。』
植松は自分のデスクに戻り応援を要請しに行った。
大門は結城に
『先輩、三人のアリバイがわかり次第連絡します。』
結城は
『それじゃ頼むね。』
結城と野間口は鴨川警察署捜査一課を出て駐車場に向かった。
………………
その日の夜、便利屋純一郎兼自宅
ジャンパーを羽織って暖かい格好をしている結城は封筒を持ち玄関で靴を履き
『それじゃこの封筒を足場屋の鬼島社長のところに持っていくよ。』
敬子は心配そうな表情で結城に
『暗いし寒いから気をつけて行ってね。次の現場は足場がなきゃ出来ないもんね。』
結城はにっこり笑って
『うん、わかった。次の現場、足場を使わなきゃ作業が出来ないから鬼島社長のところに依頼書を持っていかないとさ。』
結城は玄関を出て足場屋の鬼島の自宅に向い、依頼書を渡して帰宅した。
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