マジ万字 24/4/16

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マジ万字 24/4/16

すいません、私事ながらしばらく現場に入る事になってしまい休みが消滅したので、勝手に読む順番を変えさせて頂きます。 待ちの方で、現在進行形のめぐみさん優先にしますね。 【あなたの鼓動をもっと聴かせてよ 著:わたなべめぐみ】 https://estar.jp/novels/26143597 完全に余談ですが、「著」は事実ベースの話を書いた場合に使う表記で、創作物(空想)ベースの場合は「作」を使う、って、さっき知りました。 By岩波文庫の人(あくまで、岩波の表記の話です) って事で、一先ず、冒頭っぽい1~3まで読みました。 結論から述べると、人物が多すぎます。 具体的には、一つ一つのエピソードの方向性がそれぞれ違うベクトルに向かっているのですが、それが提示だけされて次に向かってしまうので、話の大筋がどれなのかが分かりません。 そうなっている理由が、人物が多いからですね。 通常、この冒頭3話目くらいまでのページ数なら3人で限界かと。んん、3人すら多すぎるかも。2人ですね。 それくらいにしておかないと、何をメインにやっていくのかが分かり辛くなります。 現状だと、「父親探し」と「音を作る」のと、どちらが優先なのか、良く分かりません。 あと、世界観も統一されてないように見えます。 この辺りは以下、詳細に見て行きます。 ・矢紘はなぜライブハウスに行ったのか この段階で分からなくても良いですが、これがある程度読者に残るようにしておきたい……のですが、現状だと記憶に残り辛い。 というのも、他の疑問が多すぎて林の中に隠された木のような感じで全く目立っていないです。 ・なぜライブの舞台上に上げられる? かつ、その周囲の反応はこれで良いのか? 全体的になんですが「この状況で、その反応は現実的じゃないよね?」ってのがかなり多いです。特に多くの台詞で違和感があります。 ここでは、矢紘が舞台に上げられるのは良いのですが、それに対する周囲の反応が疑問です。 例えば客の反応で、本文では「ブーイング」等とありますが、普通に考えて「いきなり何やってんの?」って感じでポカーンってなりません? ブーイングになるというのは、この状況を完璧に理解しているから拒否の反応を示すのであって、何も知らない人の反応じゃないです。 バンドメンバーの反応も、普通に考えたら「何やってんの? 頭おかしくなったか?」の反応が普通で、自己紹介を始めたり、「お前の音、好きだよ」とかになるのは不自然です。 演出面でもうちょい細かくツッコむと、矢紘が音階をドイツ語表記で話し、幹也が英語表記で話しますが、ここに対し「やりずらい」と主人公は心の中で思いますが、これが何を表現したいのか不明でした。 例えば私がこの演出を使うのなら「音階はクラシックではドイツ語だ! それが普通だろ、これだからポピュラー音楽をやってる奴等は……と下に見ている人」を表現するなら、この演出はありです。 でも、本作はたぶんそうじゃないですよね。では、なんだったのでしょう? 良い所の出だという表現?  こういう演出意図が、ほぼほぼ見受けられなかったです。 ・ライブで幹也の虜になったのか? この辺りが「本筋はどこ?」と迷子になるポイントです。「父探し」なのか「幹也LOVE」なのか「(作者が)音楽書きたい」なのか、分からなくなります。 ・ライブ会場外で、いきなりイジメにあう これについては「作者の御都合」としか見えなかったです。こんな雑踏のライブハウスで、良い家のお坊ちゃんが通う学校の生徒からイジメに合うのは不自然です。というか、この子達が何だったのか素性が不明でした。 「良い家のお坊ちゃん」を説明したい&「幹也の家で介抱される」エピソードに繋げるだけの御都合モブキャラにしか見えなかったです。 ・矢紘のバイトまでの流れ これも不自然に感じました。見ず知らずの子供がバイトに来るかどうかの話で、周囲の大人がこんな対応をしているのが疑問です。 「この子がいないとライブができない」となる納得できる理由が無いです。普通に考えたら「いや、大の大人がこんな子供に何を期待しとんねん」です。 等々と、すいません……ほぼ全ての状況に違和感がありました。 台詞に関しては、一度ご自身で音読してみて欲しいです。ほぼ説明台詞になっています。 幹也さんだけ良かったです。 因みに「この状況で、これ言うかな?」とか考える時に音読するのは効果的です。小説では機会が無いですが、映像関係、特にアニメとか朗読ドラマとかだと、この言葉が合っているのかを確認するのに、役者さん達を集めて本読みをします。読んでみると、「あ、これ違う」って分かるものなんですね。 まとめます。 設定を出すのに必死になっていて、この行動に何の意図があるのか? この行動に不自然は無いか? などの基本的なチェックがままならない状態に作者が陥っている印象です。 こうなる理由は一つです。 人物が多すぎます。 かなりの頻度で述べていますが 「この話は何なのか? を、一文で著す」 これをログラインと言い、企画会議でまず初めに話し合われるものです。これがブレブレだと絶対に通らないです。 なぜブレるかと言うと、人物が多いからです。 これにつきます。 思い切って、3話までを2人でやってみてください。10倍面白くなります。 他のキャラとか後でやればいいです。 毎回言っていますが、 「誰と誰が何をするのか」 シンプルにしていきましょう。 余談。 ここから余談です。 よく「直し」って言っていますが、直しの基本は「面白いかどうか」ではなく「伝わるのかどうか?」です。 「面白いかどうか?」とか、現場ではほぼ話し合わないです。伝われば、大体の事が面白いです。逆に、どれほど高度な事をしても、伝わらなければ面白くないです。 多くの作家さん(特に若い方)は、「面白いかどうか」を論点にしてきますが、概ね、それ以前の問題なんです。 伝わらないんです。 歴戦の猛者みたいな監督や演出の人達が「?」ってなって私に「これ、何が言いたいの?」って聞いてきます(笑) 翻訳してくれ、と……。 で、私が、ここの万字で言っているような感じで「たぶん、こう言いたいじゃないですかね」と説明しています。 これが現状です。 面白いかどうかも重要ですが、それよりも圧倒的に「これがちゃんと伝わっているのか?」の方が重要です。 逐一、自身の書いている文章、台詞にツッコんで下さい。 この状況はありえる? この台詞、現実で言う人はいる? いるのであれば、それは「何故か?」 ちゃんと詰めてください。 創作物だから……何でもあり! は、逃げです。 整理してください。いるものといらないもの、分別してください。 今回もめぐみさんのコメントで「何回書き直してもますますわからなくなるのです」とありましたが、単純に、取捨選択ができてなくて、全部を全部やろうとしすぎなんです。 だから、人物ばかりがどんどん増えていき、強引に設定をストーリーに落とし込むので「御都合」が多発していきます。 にもかかわらず、私みたいな構成に「枚数減らせ」とか言われるので、より一層「御都合」が加速します。 改善策はいつも一緒です。 人物を減らす! テーマを単純にする! 誰でにも分かるフォーマットにする! 結論、これです。 桃太郎が鬼退治に行き、財宝を持ち替える! 虐められていた女が、魔女の魔法で美女になり、玉の輿をゲットする! これが全て。 で、もっと自分にツッコんでください。 全ての文書に、ツッコんで下さい。 全ての文章に納得できる理屈を付与してください。 なぜ、今、この人はこの状況でこれを言っているのか? この追求が物書きの全てだと思います。
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