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ご近所さん
私たちの家の斜向かいには、また違ったご家族が住んでいる。
タカハシさんと小さな娘さん。
私と歳の変わらなそうなタカハシさんは毎日家にいて、男手ひとつ 娘の世話に励んでいるそうだ。
噂で聞いたところによると、ある時パタリと奥さんが帰ってこなくなったそうだ。
ジリリリリリリ……
我が家の電話が騒がしく鳴った。
「もしもし?」
私の呼び掛けに応えるでもなく、機械音でメッセージが流れる。
(定時連絡……定時連絡)
私は向こうに聞こえないようにため息をつき、抑揚なく応える。
「異常なし、です」
ブツっと電話が切れた。
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