DOUBLE

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DOUBLE

後には私と身代わりの女、黒猫、そして骨になった犯人が残されていた。 女は黒猫を抱いたまま、犯人の骨を爪先で蹴っている。 彼女に聞いても、このあとどうすれば良いか、どうせ正しい答えは返ってこない。 どうも正解は私の胸の内にあるようなのだが、無意識下での行動の理由を探る(すべ)を私は知らない。 私はいったい、彼女に何を求めていたのか。 答えのヒントが見つかって、はっとした瞬間、「間」に設けられた私設の刑場は霧散し、世界が暗転した。
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