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男が担いで運び、私はユウタの部屋に設置された。置かれたのは、壁際のベッドと学習机の間だった。
「毎日寝る前と起きた時に、これに触って、負の感情を吸い取ってもらいなさい」
男が私を見つめたまま言った。ベッドに腰掛けていたユウタが、首を傾げる。
「ふのかんじょう?」
「もやもやとか、泣きたいとか、そういうものだ。いいか。決して学校で泣いたりしちゃダメだぞ? その感情は家まで持って帰ってきて、こいつに吸ってもらうんだ。約束できるか?」
男がユウタに目を向けた。ユウタは少し不安そうな顔で首を振った。
「わかった。がんばってみる」
男がほっとしたように頬を緩めた。
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