ペットフード

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夕飯を食べ終えて、さて他にやる事がないかを思い出す。 「あぁ、そうだ。銀ちゃんのごはん作らなきゃ」 我が家にはオカメインコの銀ちゃんが居る。奴は硬い種を上手く噛む事が出来ない。ひまわりや白くて硬い種を丸ごと上げると必ず口の端から吹っ飛び、鳥籠に当たって「カーン!」と爽快な音を鳴らす。 そして、その音に本気で驚き冠羽が総立ちする。 きぇっ!?と鳴いて私を見るけど、音を出したのはお前だ。 仕方がないので、硬い種は寄り分けてハサミで半分に切ってから与えている。それでも気分によっては食べないので「テメェ」と本気で苛つく事もある。 「まぁ、仕方ねぇよなぁ」 人間にだって、好き嫌いはあるもの。 そんな事を独言(ひとごち)ながらペットフードの袋を開けた。 中から香ばしくて良い匂いがした。中身は穀物の種だ。大小様々で色合いは茶系が多いが赤くて小さい種もある。銀ちゃんはこの種が一番お気に入りだ。 「おいしそうだなぁ」 本当に食べるつもりは更々無いのだけれど、とてもおいしそうに見えた。 それだけ、銀ちゃんは私にとって大切な存在なのだと知った。銀ちゃんも私がスナック菓子を食べていると欲しがる。(やらんけど) 互いのご飯を欲しがるのは違いを思い合う証なのかもしれない。
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