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遂に夢のマイホームを手に入れた。
「あなた、いよいよね」
「ああ、来週には引っ越しだ」
僕の名前は林田毅。隣は妻の三郷。
僕たちは3年前、社内恋愛の末に結婚した。
「鍵持ってきた?」
「もちろんさ、忘れないよ」
ここ一年、マイホームの建築状況の確認に土日を費やしてきたがそれも今日でおしまい。来週には引っ越し業者に大型の荷物を搬入してもらい、その日の夜からマイホームでの暮らしがスタートする予定だ。
「今日が最後の下見ね」
「来週からはここが家だ」
他愛もない話をしながら鍵穴に鍵を差し込むと、妻が鍵を持つ僕の手に掌を重ねてきた。
「第二の人生のスタート、だね?」
「ああ──」
見つめ合いながら二人で一緒にマイホームの扉を開けた。
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