後輩社員の瀬野くん。

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 2 「おすすめのメシ屋が有るんですよ」 そう言われて付いて行った先は、今まで一度も入った事のない定食屋だった。こじんまりとしていて、店構えから昔ながらの雰囲気が漂っている。 「いらっしゃいませー」 引き戸を開けて店内を見渡すと、壁には様々なチラシが貼られていて、各々のメニューだと気付く。 ワンコインで食べられる定食が売りなようで、その種類たるや目を疑うものばかり。 刺身定食やチキン南蛮定食、生姜焼き、サバ味噌、唐揚げ、ハンバーグと何をオーダーしようか迷うほどだ。 「(さとる)ちゃん、いつもありがとねぇ。空いてる席、何処でも良いよ〜?」 愛想の良いおばちゃん店員さんに挨拶され、瀬野くんがどうやらここの常連さんだと察する。 「……このお店、よく来るの?」 常連さんと分かったけれど、とりあえず当たり障りのない質問をする。 「ええ、まぁ」と言って笑う彼に続き、奥の窓際席に座った。 「おすすめのお店って言ってたから、てっきり居酒屋かと思ってた」 足元に置かれたカゴに仕事用の鞄を置き、ポツリと本音がもれる。 「飲みたかったですか?」 瀬野くんはキョトンとし、曖昧に首を傾げた。
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