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プロローグ 破天荒な僧侶 道鏡
山駆け海駆け
船に船跳ぶ
幾星艘
その法力星辰を惑わし人心を拐かし給ふなり。彼の僧、破り破られども、未だ式神を従ひ、犬畜生物の怪の言の葉交わし、時に雷神、時に龍神をも鎮めりけり。その術さることながら神通力の如し、月を掴みて我が手の広大なること付きを掴みけりと言ひければ月を掴みて、雲を歩むば、海をも歩みけり、言の葉紡ぎ給われば真実とならん。
―古記弓削連好色伝「好色僧」より抜粋―
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